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足首フリー装具並びに『患者の思いに寄りそう装具処方マニュアル』誕生の軌跡

A:本品の構造は基本特許を取得、B:本サイトで紹介している製品のアレンジ並びに姿勢改善法などは周辺特許申請中、C:〝コロバンダー〟は登録商標です。

※本装具の模倣品を製造して収益を得た場合は特許侵害として損害賠償の対象となる可能性があります。 

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​多くの研究機関や企業が開発を目指すも汎用に到らなかった

​足首を固定しない歩行補助具の開発秘話

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​第1章/ 足関節フリー装具コロバンダー誕生と復活劇

 

​【 想いの芽生えと次々と立ちはだかる製品化の壁 】

 

 本アイテム誕生までの経緯についてお話しさせて頂きます。その想いが芽生えたのは今から約30年前の事でした。接骨院を開業して3年目33歳の時に同級生の患者さんが脳血管障害で倒れ、仕事を失い絶望の日々を過ごしてことを、また、シニア世代の方が躓いて転んだことが切っ掛けの骨折が原因で車イス生活から寝たきり状態になってしまう大勢の患者さんを目の当たりにして、施術の現場を知り人体工学に明るいことを頼りに、最高クラスの機能性を備えた躓き防止アイテムの開発にチャレンジしようと決意しました。

​ しかし、この足首を固定しないコンセプトの躓き転倒防止装具は、従来の足首をプラスチックで固める装具にはぶん回し歩行や膝折れなど様々な課題がある為、大学や各企業が製品化にチャレンジするも従来の技術では安全面や実効性などに課題が残り、今日まで定番製品として広く普及した物ありませんでした。 理由は、どの発明も、尖足位に戻ろうとする強力な張力に打ち勝ってズレ落ちない起点を担保するまでに到らなかったからでした。

 

 私のケースでも例外に漏れず、ネジやバネなどの都内の町工場の社長達10数名も加わり知恵を出し合い、都内の有名大学や官の支援をも受けて下図の様な仕様での実用化を追い求めるも安全性など次々と立ちはだかる壁に跳ね返されて叶うことはありませんで​した。

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【 降ってきた閃き、そして、素晴らしいチームの誕生 】

 それから4年が経った時潮目が変わる閃きが降ってきました。やはり無理かと諦めかけながらTVでサッカーを観戦していると選手が身に付けている脛当てが目に飛び込んで来ました。その刹那、これなら世の中に広まると自信を持って言えるアイテムのイメージが浮かびました。

 果たせるかなそれを境にとんとん拍子に動き出しました。関西に本社がある大手の商社様がサンプルつくりを担って下さり、当院の歩行障害を持つ患者さんに使ってもらうなどして改良点を浮き彫りにする作業を積み重ね、医療や介護などの福祉用途だけでなく、バレーボールやバスケット、テニスなど複雑な動きを伴う競技用途としても活用可能な現在の完成形に到り、満を持して国内を代表する大手のスポーツメーカーからのリリースをプレゼンする段階までになりました。

​ 私達チームが開発した運動補助具を使って街中をスイスイ歩く障害を持つ方やお年寄りの姿、TVで活躍する一流アスリートの場面が浮かんでワクワクな日々を過ごしていました。

コロバンダーの図面

​【 特許の壁に跳ね返され頓挫! 】

 

 ところが一転、特許許諾の壁が待ち受けていました。片麻痺の歩行補助を目的とした装具に似たような言い回し(仕様は別物であったが文脈が一致)の先願があるとして拒絶されました。今にして思えばこの時に補正手続きをしっかり行なっていれば良かったのですが、特許の仕組みを十分に把握していなかった無知さ故に諦めてしまいました。

​【 挫折感の中、実施検証を継続、完成形の誕生に繋げる 

 

 当時、私は空手以外にも趣味の一環としてバレーボール行なっていたのですが、手元にあるサンプルを使って改良点の検証を続けました。

 40代半ばで体重が85キロ、ジャンプ力は70㎝で春高バレー優勝経験もある大学生に混じってアタッカーでしたが、全力で踏み込みジャンプ着地してもズレ落ちる事無く足首を背屈位に保ち捻挫予防だけで無く、踏み込みがスムーズになるなど競技パフォーマンスがアップすることも実感しつつ製品化が頓挫した現実の挫折感とチームの皆様への申し訳ないとの思いに苛まれた日々を過ごしておりましたが、約10年続いた実施検証の結果から多くの課題とそれを解決する手段を見いだし、現在の完成形の誕生に結び付ける事が出来ました。

コロバンダー装着
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​【 運命的な出会い、そして夢再び 】

 

 企画が頓挫した後は任天堂wii用のフィットネスソフトを監修したことが切っ掛けで、健康メソッドや福祉護身術の開発に傾注するようになりましたが、本アイテムの事はこれが世の中に広まれば多くの人が助かるはず、いつか再チャレンジをしたいとの想いは抱き続いておりました。

​ そんな折り、運命的な出会いがありました。いつもは東北の大学での教鞭や地方への出張で滅多に東京におられない元特許庁の審査官も努めたこともある弁理士先生と会う機会があり、特許とは1度の申請で許諾されることは希、補正で頑張っていたならば特許になっていたはず、素晴らしい発明なので改良点や新規性を詳しく書いて改めて出願して世の中に出すようにと背中を押してくれました。

コロバンダー特許

​【 完成形の特許申請 】

​ 私の実施検証は約10年続きました。そして、全ての課題を解消する手段をモーラした完成形に到り、2020年2月補正までを見据えた出願、コロバンダーを商標申請ました。本品が広まることで大きな恩恵を​受ける人は使用する人だけで4~5千万人、家族まで含めると国民の70%に上ると思います。

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コロバンダー装着

​【 念願の特許査定を取得 

​ 令和4年7月、構想より20余年跳ね返された特許の壁を乗り越えて特許査定の目録が届きました。

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​第2章/ 『足関節フリー装具活用生活支援法』誕生

 

​【 モニターで出会った坂本氏 

​ ところがここまでのストーリーが、序章に過ぎなかったと気付かされる出会いがありました。​3年前に脊椎の硬膜外血腫を発症、重たい歩機能障害を抱えることになった坂本氏(57才)が、SNSで本装具の存在を知りモニターに来訪、なんと通常歩行さえままならなかった氏が駆け足が出来るよになったのですが、このことは従来のリハビリの概念を変えるかも知れない衝撃の瞬間でありました。

 

​【 次々と降って来る医療革新と暮らし支援のイマジネーション 

​ そして、その後も患者さんや介護施設、知人の協力を仰いで50名以上のモニターを実施したところ、足関節を固定しない装具の利点を活かした歩行障害者の支援だけで無く、荷物を持って階段を上り下りする宅配業、足場の悪い船の上で釣りや網を引き上げる漁師、繰り返すこむら返り対策など様々な用途でその機能が活かされる発見が続々と明らかになりました。

 

​【 モニターで判明した患者さんと医療サイドのズレ、四方良し処方マニュアルを監修 

​ 然して、その後モニターを積み上げたところ患者さんが求める好適な装具と医療サイドが提供する装具との間に大きな隔たりがあり、その溝を埋める手段としてコロバンダーを導入することで痲痺の程度に即した好適な装具を処方出来る事が分り、リハビリ現場に根付かせる為に四方良し処方マニュアルを監修しました。

特許査定
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